私たちの想い

私たちの想い

創業メンバー:2018年4月撮影

私が在宅生活に関心を持つきっかけとなったのは、病院で担当していた若い頚髄損傷の方(Aさん)との出会いでした。

Aさんのリハビリは順調に進み、無事に自宅に戻ることができました。
ところが数年後、脳卒中で再入院となった際に再会したAさんは、別人のように太っていて、本当に私が担当した方なのかと目を疑うほどでした。
話を聞くと、毎日やることもなく自宅に閉じこもり、食べることしか楽しみがない生活を送っていたのです。

このショッキングな出来事をきっかけに、私は退院後の患者さんたちの自宅を訪問し、在宅生活の実態を知ろうと動き出しました。そこで見えてきたのは厳しい現実でした。
脊髄損傷独特の課題を解決できる支援者が在宅にはおらず、入院していた時が最も良い状態という方が大勢いました。
リハビリは関節を動かすだけで終わり、多くの方が能力を活かしきれずに自宅で閉じこもり、社会とのつながりも当事者同士の交流も少ない状況でした。

病院では社会保障費削減の流れで、早期に退院して在宅生活へ円滑に移行することが支援の目標となっていきました。
これにより脊髄損傷の方々が自分らしく生活し、楽しみや役割を持って在宅生活を送るという視点は見失われていました。

このような状況の中、私は病院ではなく在宅で何かできないかと考えるようになりました。
多くの脊髄損傷の方と対話し、先駆的な事業を見学しながら、在宅支援の方向性を具体化していきました。

そして、自宅で自律・自立した生活を送りながら「やりたいこと」にチャレンジできる訪問型の事業を、2016年4月に名古屋市緑区に開設することになりました。
脊髄損傷の方を医療機関や入所施設ではなく在宅で支援するという日本初の取り組みです。

私たちの在宅支援は、当事者の生活に入り込んで想いを一つにし、後ろから伴走させてもらうような支援です。
脊髄損傷の方が主人公で、私たち支援者はあくまで脇役。
病院とは違った在宅生活の支援に楽しさとやりがいを感じています。
うまくいかないことや苦労は多いですが、スタッフや当事者など支えてくれる大切な仲間がいます。

今後もより良いサポート体制を構築するため、職員だけでなく、障がい当事者の仲間、利用者さま、地域の専門職と新しい支援の形を創造しています。
私たちリライフは、一緒に働いてくれる仲間と、今の生活を変えたい脊髄損傷の方を待っています。
私たちのチャレンジにご期待ください。